1009_書評9:ビットコインはどのようにして動いているのか(大石哲之)を読んだ
今日はtwitterとかblockchain関係のメディアとかを見ているとよく出てくる大石哲之さんの本を読んでみました。ビットコイン関連に出てくる人って大体お金目当てでブームに投機目的やアフィリエイト目的の人が多いから技術者以外は信用できない。この人もきっとそうなんだろ。っていうスタンスで読みました.
読む前の穿った見方を本当に反省したい。すごく良い本でした。そして日本にbitflyer/coincheckなどが設立するかしないかくらいの時に出版していることに加えて、この本の論点をブロックチェーン、ビットコインのアルゴリズムにおいている辺り、「あ、これは、どっかのFX、株式から流れ着いたパチモンじゃない。きちんとブロックチェーンの承認システム、合議システム、そしてその汎用性の高さと未来を形作ることへの可能性の大きさを感じているんだ。」と思いました。大事なことなので繰り返し言いますが、とても良い本でした。
本書の文章構成
0.はじめに
1.ビザンチン将軍問題とビットコインネットワーク
2.ビットコインの仕組みの全体像
3.トランザクション(取引)
4.ハッシュ関数
5.マイニング(採掘)
6.善意の採掘者
7.アンドリーセンの夢想する世界
参考文献
この本で特に良かった点
ビザンチン将軍問題という「カオスな環境における意思決定は管理者不在できちんとした正確性を持って確定できるか」という問題についての説明をメインにおいていたことです。
巷では、
「仮想通貨は上がる、ビットコインは上がる、イーサだ!リップルだ!ネムだ!」とか、
「ビットコインは絶対ダメになるよ、一時的なバブルだ。」「いや違う。ビットコインは絶対に高くなるよ!可能性があるんだ!」
とかのようにクソみたいな感覚的で辟易するような議論や、金銭的メリットは完全に無視して、ビットコインの構成要素、サトシナカモトの論文の革新性、ブロックチェーンが技術的に何を解決し、どのような未来を気付きうるのかというその技術的可能性にフォーカスしているところが本当に素晴らしいと思いました。 ビザンチン将軍問題、ハッシュ関数、ブロックチェーン、PoWプロトコルというコア要素に絞ってるところが良かったです。
ビットコインやその他暗号通貨の投資性だけに着目して、FX/株式よりボラティリティの高いゴールドラッシュとしか考えていない連中には到底理解できない、本当のブロックチェーンのアルゴリズムの素晴らしさを説明している良書です。
vimでreadonlyファイルを強制保存して凌ぐ方法
よく目にするreadonlyファイル。
こいつはいっつも厄介だなあと感じる。一応理由があってreadonlyになってるんだろうけど。
:w !sudo tee %
から
:q!
で突破。
macOS(ローカル)→さくらVPSにターミナル上でsshログイン
ローカルからvpsへの接続
ssh -p [port番号(22はファイアウォール設定してるので自分の場合は10022)] [root以外のユーザー名]@接続先ipアドレス
参考URL
https://teratail.com/questions/16932
MacからさくらVPSにSSH接続できるようにする方法 | Sawalog
所感
クソみたいな戦いだったのと同時に、セキュリティ、ネットワーク、linux、unix、vpsなどインフラ全体に関してももっと勉強しないとダメだなと反省。
何も設定してなければ、ローカルからvpsログインなんて
ssh root@接続先ipアドレス
ですんなり入れる。
ただ今回のようになんとなくvpsの設定をして、なんとなくファイアウォール設定をしてデフォルトのport22を塞いで、rootにはアクセスできない設定もして、鍵も作ってとやると必要な知識が多岐に渡ってくる。本来port番号だってなんの設定もなくデフォルトのport22には入れたはずがなんとなくの設定で10022にしか入れないようにもなっていた。
ちょっとわからないときは
#semanage port -l | grep ssh
でSELinuxの設定を確認してやっと22番ポートの規制がわかった。
今回の件で身に付けたい知識
などの知識習得を熱く誓った。
ssh agentしたはずなのにno identities errorが出る件
sshの秘密鍵登録を
ssh-add ~/.ssh/id_rsa
にしているはずなのに、毎回再起動するたびに
ssh add -l
すると
The agent has no identities.
になってしまい、毎回鍵登録しないといけないのかと悩んでいました。
ssh-add -K ~/.ssh/id_rsa
を入力。
一応これでgithubのpushもssh認証されて問題なく突破。やったね。
と思いきや...
再起動して
ssh add -l
すると
The agent has no identities.
他のサイトで確認したとところ
~/.ssh/configに
# global setting for macOS Sierra
Host *
UseKeychain yes
AddKeysToAgent yes
とかくと治ったそうです。
1008_今日やったこと
dev
- git/github/sourcetreeの整備
- ethereumのドキュメント確認(meteor/go-etherなどとマイニング)、OSSの巡回。
- ssh-agentが外れて、
ssh-add -l
をやってもno identity
と出てくるので対策を考えていた。(これは後回し)
biz
- wired(blockchain特集)の読み込み→summarize
- 情報収集(ICO/Blockchain技術的側面)
K
- 読書→要約作業
- 一日をpitch単位で管理すると時間配分を計算しやすい+効率が上がる。
- いつもよりは少し早く起きた。
P
- 基本的にデプロイまできちんと行き着けていない。ゴミ。 (vpsとvagrant/dockerで導線を作っておく)
- 技術的、ビジネス的情報のまとめ方がきちんとしていない。RSSにまとめる。
- やっぱり時間配分がうまくいっていないのと、前の日に予定が決めきれていない。 (きちんと決めておく)
- BIZ分析できていない。 (基本的にデプロイかbiz分析できないと意味がないのでそこを優先的にやっていく。)
反省点
- ubuntuを使って操作をすることが多いのでlinux/unix/vi/vimの知識はもう少しあった方が良いなと感じた。
- ブロックチェーンのビジネス的な概要は結構掴めたので、技術的にスクリプト打ち込んでインプットアウトプットしていくところの比重を高めた方が良いなと思った。
- マイニングをはじめとして通信が多くなってくるのでセキュリティ要件に関わる部分のインプットも増やすべき
- とにかく技術的アウトプットの量を増やしていく。OSSへの参加によって英語のインプットと海外の進み具合にもキャッチアップしていく。
- ブロックチェーンコミュニティにも見学がてら参加してみる。基本は自己開発とOSSヘコミットした方がアウトプットは大きくなるので世間話よりも開発にコミットすることを忘れない。
- output先の住み分け(qiita/github/oss)、インプットの住み分け(sns/hatena/medium/rss)など仕組みを明確化する。
- 工夫して時間の密度をあげる。同じ疑問に無駄な時間を使わないように記録は残しておく。
T
1008_書評8:WIRED(ワイアード)VOL.25[雑誌](Condé Nast Japan、WIRED編集部)を読んだ
ブロックチェーンの概要理解とその使用例を再度情報収集したいなと思って久しぶりに読み返しました。blockchain関連の特集は主に10編?
The power of blockchain/credible agreement/blockchain revolution/portrait of a crypto-anarchist/bitcoin vs big brother/the game changers/europe, hacked/days of 2029/blockchain basics/the rise & fall of silkroad
でした。
本書を読んですごくよかったなあと感じたところ
印象に残ったのはspainの暗号通貨ハッカーの話と岩井克人さんのビットコインを「貨幣の本質」から考えた場合必ず滅びると考えていると言う話、そして、エストニアを中心としたEU圏内の歴史的背景とopen governmentの話、kenji saitoさんのブロックチェーンの近未来の話の4編がすごく印象的でした。あとはNTTデータのまとめもすごくよかったです。
本書を読んだことによって、ブロックチェーンの概念、その技術的側面に対する考え方だけではなくて、それを国内だけではなく世界中でのユースケース、業種、そしてどのようなプレイヤーがいるのかや、ビットコインというものが貨幣の概念から考えた場合、長期的に考えて正当性を持つのかなど視野を広く持てるようになったのはよかったと思います。
spainのクリプトアナキストLUIS IVAN CUENDE
彼は取材当時21歳の若さで複数の会社経営を経験しているシリアルアントレプレナー。今は、ビットコインとイーサリアム両方のブロックチェーンを採用したブロックチェーン・タイムスタンピング・アーキテクチャー(BTA)を使って、契約書からEメール、リサーチ記録から知的財産まで、あらゆる文書にタイムスタンプを与える原則ゼロコストのオンライン交渉サービス。
-Stampey:全ての書類、メール、データセットを公証する。
https://stampery.com/
-Unpatent:特許権乱用を撲滅するクラウドファンディング
https://unpatent.co/
→このサービスとかは技術のオープンソース化を一番に願って、特許で可能性を閉じるんじゃなくて、最高の技術とサービスで優秀なエンジニアを引きつけて世界を取るべきという意志が感じられてとてもアナーキズムを感じられて良い!
3歳からコンピューターに触って、11歳で自分のサイトを作って、12歳でlinuxディストリビューションのAs-turixOSを開発して起業。そこから14歳でシリコンバレーに来て複数社企業。21歳でシリコンバレーに拠点を移すとかいうやり手。すごい。
岩井克人のビットコイン論
ここでは、国家の貨幣価値は中央銀行の介入などによって景気変動が保たれている。それに対して、ビットコインの非中央集権の分散処理システムは短期的には良いけど、長期的に見た場合、きちんとした金融政策に詳しい管理者ではなくそのコミュニティの相違に任せるのは本当に正しいのか?ともっともなことを言っていて確かに長期的な視点に立って考えると本当に機能するのかは疑問だなあとも感じた。ただ、新しいものは試してみたいとわからないので、試してみてから考えるのが一番良いような気がするなとも感じた。貨幣を知るための参考図書も挙げられていたのでそれも読んでいきたい。
エストニアン・ブロックチェーン
この特集も面白かった。昔から小国は、ヒトモノカネといった経営資源のうち、移動が容易な人を集めるために魅力あるルールや場所を作ることに注力してきた。ex)カジノ:モナコ、秘密厳守のプライベートバンク:スイスなど。
エストニアにとってITはそれにあたり、GovTechによって民主政治のIT化で世界にその名を知らしめた。
すごく良い表現だなと思ったのは、
今までエストニアが扱ってきたGovTechは、既存の民主的政府の改善が中心の"Government Technology(政府技術)"
一方で、ブロックチェーンが開くGovTechは、自律分散性という特性から、政府のあり方自体を根本的に組み替える"Governance Technology(統治技術)"に転じる可能性をもつ。
この表現を見て、主体手が政府という巨大な管理者から、そのコミュニティ全体の管理に変わっていくんだなと思い、これこそが非中央集権分散システムだなと思いました。
EUは歴史的にEU共同体といったように本来であれば全体統治によってその関係性、政治経済が保たれるはずだったのに、イギリスの脱退や、ブリュッセルやストラスブールといったEU期間が集中する年はすでにEU完了の巣窟になっている。
そして、EU統合もなんども試みたがやはり人が関わるところには利害関係もあり、それならばシステムに全部任せた方が良いのではと考えられるところが、エストニアという歴史上ずっとどこかの国の権力かにあり、最近になってやっと独立国家になった国がITによる統治に全てをかけるのもわかる気がした。
人による集権的な仲介組織を廃止、システム全体で広くあまねく信頼を確保するブロックチェーンによって、権力が多層的に工作する、宙ぶらりんの超国家体であるEUを統治する形も見てみたいなと思った。もちろん年寄りが牛耳って既得権益や選挙戦略に力を注いでいる日本でも試してみたい。そう改めて思った特集でした。
Blockchin Days 2029
この特集はkenji saitoさんによる、ブロックチェーンを用いた未来予想図的特集。婚姻契約、子供の教育、企業のあり方、政治の形、エネルギーの配分。それらを中央管理システム無しで非中央分散型のシステムでのあり方を考えたもの。参考になった。
nttデータのまとめ
p2p/非対称鍵暗号/分散型台帳/ビットコイン/マイナー/半減期/ソフト、ハードフォーク/Proof of work(作業証明)/ビットコインアドレス/Ethereum/IOTA/R2 Corda/Hyper-leger/Sidechain/Colored Coins
など主要キーワードを用いて、暗号通貨、ブロックチェーン周りを簡潔にまとめていて参考になりました。
上記のように、本書は暗号通貨、ブロックチェーンの概念、ユースケース、未来展望を包括的、かつ簡潔に理解する上で非常に良い本だと思いました。
1007_書評7:FinTech 2.0ー金融とITの関係がビジネスを変える(楠真)を読んだ
Fintechの概観を理解したいと思いこの本を読んでみた。読んでいて思ったのが、ユーザーへの安定的なサービス提供を与えるために既存の金融機関のシステムも必要だという意見に立脚しつつもクラウドコンピューティングやモバイル、ブロックチェーンやAI(機械学習、深層学習)への適応のためにスタートアップと協調を合わせていくことも必要だという趣旨の本に感じられた。
確かにその主張も金融機関は一種の国家のインフラという意味でかなり理にかなってるなと感じた。対して、顧客を守るシステムが必要である一方、もっと効率化すれば既存の従業員の半分以上はもはや必要ではないのではないか、既存の規制や法律、承認システムが銀行や保険会社などの会社側のメリットではなく、ユーザーとしての本質的な価値を考えた場合、それらは本当に必要なのかとも感じた。
特に既存の金融規制、ATMや証券化、承認フローや管理システムなど既存の金融システムは現在のようにInternetというデジタル化社会とは全く前提の異なる半世紀前のシステム、規制に基づいて運営されている。これらを、組織の人員は減らさず、既存のシステムを守りつつ、それにITのシステムを上乗せするのはその場しのぎにすぎない。人間に例えれば、根本的な原因は食事や生活習慣(運動をしない、不規則な生活、睡眠不足)などがあるのに、サプリメントなどで誤魔化すのと同じなんじゃないのかとも思ったりもした。
とはいえ、既存の金融機関もITの推進にはかなり危機感を感じていてそれを取り込むことを必要としていることはすごく感じられて良かった。
金融機関がお金を稼ぐ仕組みは3つ
1.集めた預金に支払う金利と貸し出した金利の金利差から得られる金利収入
2.株や債券のような金融商品を販売した時の手数料
3.振込やアドバイスの提供などサービスの提供に対するサービス料
このシステム設計とこのビジネススキームを金融機関が守るために規制や法律や人員配置などが決まっているが、これを前提としない仕組みがあればこんなに人もいらないし、金銭の移動も早くなるし、規制や法律の形ももっと事業者や顧客に本当に価値のあるものになるような気がした。
Fintechで主に提供されているモデル
1.リテール金融向けソリューション
-ネットバンクや、ネット証券の延長戦上:海外送金を低コスト(ベンモ)
-アグリゲーションの延長、個人の資産管理(Yodlee)
-資産運用のアドバイスを自動的に扱うロボアドバイザー(Betterment)
2.仮想通貨やブロックチェーンに関連したソリューション
-ビットコイン。金融機関同士の電子取引システム。
-ブロックチェーン技術を使ったサービス。
3.ネット決済やモバイル決済に関連したソリューション
-applepay/paypal/squareなど
4.クラウドファンディングやソーシャルレンディング
ネット上で小額の資金を集め、これをスタートアップビジネスへの投資や消費者ローンに利用する仕組み。kickstarter/lending club
5.ホールセール金融に関連したソリューション
証券会社やヘッジファンドなどホールセール金融に関連。
かつてはヘッジファンドが利用するためのトレーディングプラットフォームや、取引所を介さないで株式を取引するPTS(Proprietary Trading System)やECN(Electronic Communication Network)、高速でコンピューターが株式売買を行うHFT(High Frequency Trade)など。
今後はブロックチェーン技術を応用したソリューションも模索中。
Fintechを支えるテクノロジー
-クラウドコンピューティング
-モバイルプラットフォーム
-AI、機械学習、深層学習
金融機関がビビってるポイント。
成長スピードが速すぎるのと、どの企業が牛耳っているかという点においてかつてのIBM、かつてのIntel/Microsoftのように少数の企業に止まらないこと。
ソフトウェアが世界を飲み込む。(software is eating the world)
-Hard
IBM/HP/DELL/EMC/Cisco
-Soft
Oracle/Microsoft
-Cloud
Apple/Amazon/Salesforce/Google
既存ビジネスをぶっ潰す(=Disrupt)
旧態依然の変化についていけない産業は全てソフトウェアに飲み込まれる。
Uber/Netflix/Ebay/Airbnbなど
第三世代プラットホーム
第一世代:メインフレームコンピューター(327O端末:ex,銀行勘定系、ATMネットワーク)
第二世代:クライアントサーバーシステム(windowsPC:ex,ネットバンク、トレーディング)
第三世代:デスクトップ、モバイル、IOT(Netflix/Uber)クラウド上で新しいエコシステムの創出