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1013_書評13:再起動 リブート―――波瀾万丈のベンチャー経営を描き尽くした真実の物語(斎藤徹)を読んだ

今日は本当は読む気が無かったのですが、たまたま本棚で見かけて、前に、少し目を通したことのある齋藤徹さんの本を読みました。世の中には輝ききらめくような起業家のサクセスストーリーは脚色されたエピソード含めて上手く描かれた本は腐るほどあります。しかし、今の僕が知りたいのは上手くいく方法はもちろんですが、成功までの道のりの中でどのような危険箇所に出くわす可能性があるのか、それを前もって知っておくことです。

そうすることで、様々な困難に出くわしても「あ、これ本で読んだアレやん。キッツイなあ」と何度でも大きな困難から再起動(リブート)してやろうと感じることができます。そのマインドセットと危険箇所のサンプルを人生の先輩から獲得したいと思い読むことにしました。

端的に言って読んで正解です。というか買って常に手元に置くようにします。起業家、何かに挑戦する人は持っていた方が良いです。

印象に残ったフレーズ

緊急事態だ。考えだせばきりがない。考えれば考えるほど全てを投げ出したくなってくる。心に迷いが生じれば、奇跡を起こすことはできない。迷いや悩みは未知なる明日を恐れて自らの心が生み出した妄想に過ぎない。そして、その妄想こそが僕たちの行動を著しく弱々しいものにしてしまう元凶なのだ。

この感覚はすごくよくわかる。

僕はこれまでの経験から、自分自身の心の弱さを客観的に理解していた。今、目の前にある現実に集中し、自分が影響を与えられる範囲で、自らのすべきことを決める。後は何も考えずに実行あるのみだ。昨日の後悔も、明日への恐れも頭から排除する。目の前の現実しか見えないマシンになりきるのだ。それができなければ、この苦境は乗り越えられない。

パニック状態はまさにこれ。

自らの考え方をコントロールできるのは自分自身だけだ。修羅場における心の持ち方は、すでに僕の細胞の隅々にまで深く浸透していた。

守銭奴だと蔑まれてもいい。人の評価を気にするのもやめよう。明日を気に病むのもやめよう。大切なものを守るために全てを捨てよう。そんな断固たる決意のもとに、僕は三本の矢を実行に移した。

銀行やベンチャーキャピタルの性質をわかりやすく見せてくれる作品でした。

晴れた日に傘を差し出し、雨の日に取り上げる。それが金融の常識だ。何度も経験した僕にとってはそれは想定内の反応だった。しかし森村は僕の落ち着いた態度が気に入らなかったらしい。彼はやや声を荒げてこう言った。

保身に保身を重ねる人

「わかってるんですか斎藤さん。倒産するんですよ。ループスは!」 「斎藤さん、本当にこの状況を理解しているんですか?もう資金がないんです。どこにも支払いできないんですよ。どこに打ち手があるんですか?フレックスに続いてループスでも失敗したら、斎藤さんはもう二度と浮上できなくなるんですよ!」

リスクテイカー

僕は心底放っておいて欲しいと思った。森村氏は経営を知らない。修羅場をくぐった経験もない。知らないから怖いのだ。銀行の取り付け騒ぎ然り、株の暴落然り。資本の論理を優先させる人たちの特徴だ。そんな言葉で経営者が動揺し、未来を見失えば、本当に会社は倒産してしまうではないか。自分が不安だからと言って、なぜ人を巻き込もうとするのか。

起業家

「最後まで全力を尽くしますよ。僕たちはー。」

晴れの日に傘くれる人

「わかりました。頑張ってください。私はこれ以上責任が取れないので、取締役を辞任させていただきます。」 森村氏から出たこの言葉で僕はようやく腹落ちした。そうか今日の趣旨はこれだったのか。

晴れの日に傘をくれる人を批判

火事場の中でいかに会社を再建するか悩み苦しむ僕たちと、責任を回避するために一刻も早く辞任したいと考える彼と、その意識の差はどれだけのものだたか。改めて森村氏を眺めると、彼はバツが悪そうに目を伏せた。

ここは名シーン

「森村さん、僕たちはループスを諦めていませんから」 僕は最後の一言に経営者としての矜持を込めた。

此の期に及んでまだそんなことを言っているのか。
森村氏は呆れたような顔をしたが、その時、僕は冷静だった。
この困難はまだまだ解決できる。過去の経験からそう確信していたのだ。

そして現状把握

今、僕たちがすべきことは、目の前の傷口を冷静に直視することだ。それを正確に把握した上で、諦めずに矢継ぎ早に手を打てば、必ず道は開けるはずだ。そこで僕は彼らに提案した。お金を貯めること。コストを減らすこと。受注すること。そしてお金を調達することだ。

人間万事塞翁が馬

「逆境の時こそ、新しく生まれ変わるチャンスだってことは、身にしみてわかったよ。」

「苦しい時こそ素直になることが何よりも大切だったな。反省し、心を開き、助けを請い、誠実に振る舞うこと。そうすることで、新しい自分が生まれて来るのだと思う。」

「社員が好きな仕事に集中できて、それが世の中のためになって、家族も安心して暮らせて。愛と幸せの循環を生み出せることこそが俺たちの理想だな。」

ここがぐうの音も出ないほど納得感のある言葉

それぞれが道半ばだが、自分だけの人生を、小さな成功や失敗を繰り返しながら、誰よりも一生懸命に生きている。実際、人生には価値も負けもないのだろう。あるのは何にも変え難い貴重な体験。そして、再起動(リブート)だ。

人は何度でも挑戦できる。困難は神が与えてくれた絶妙なパズルだ。苦しみが深かったからこそ、僕は自身の心を内観する機会を得て、真の幸せとは何かを自覚することができた。目の前にある困難は、自分自身を成長させるために、神様が頭を悩まして組み立ててくれたオリジナルのパズルなのだ。

恐れずに立ち向かえば、解決の糸口は必ず見つかる。お金や名誉ではなく、自らの心の声に素直になり、心の喜びを目指して突き進むことだ。

誰にでも苦しいときがあるだろう。苦境に陥ると、人は陰口を叩くものだ。徒党を組んで追い落としにかかる人もいる。でも、気にすることはない。その人にもその人の人生があり、家族や友人を大切にして、泣き笑いしながら精一杯生きているだけなのだ。

まとめ

この本を読んで、未来を悲観せず、過去を後悔せず、現実だけを見るロボットになろうと思いました。そして常にどんな困難に出会そうと現状打破の方法を考えることを続け、がむしゃらに行動し、資金調達などには依存しすぎず、一方で頼れる部分は頼れる人たちに頼るという良いバランス感を持った起業家でありたいと思いました^ - ^

世の中にはサクセスストーリーや幸せな話、最後は正義は勝つ的なハッピーエンドのお話はお腹いっぱいでみんなで消費しきれないほど満ち溢れています。ただその背後でその何十倍、何百倍の人が勝負に敗れ、退場を余儀なくされる現実があります。その現実を意識し、厳しさを理解しながらもファイティングポーズをとり、知り尽くした上で楽観主義を貫くために必要なスパイスです。マストバイですね(^ ^)

1012_書評12:中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来(岩村充)を読んだ

今回はビットコインの発展に伴って既存の貨幣通貨、円やドル、ユーロなどと比較した場合、それぞれはどういった関係性になるのか。ビットコインブロックチェーンによってDecentlizationの流れが広がっていく中、今までの通貨発行、金融政策の中央管理者の中央銀行やその担い手である金融業との関係性はどのようなものであり、それらの歴史はどういったものであったのか、そして未来においてはどうなっていくのか。そういった面を調べたく、当時日銀に勤め、今は経済学者である著者の本を読みました。

印象に残ったフレーズ

社会の利益を増進しようと思い込んでいる場合よりも、自分自身の利益を追求する方が、はるかに有効に社会の利益を増進することがしばしばある。

アダム・スミス国富論

われわれの自由社会にとっての問題は、たとえいかなる犠牲を払っても失業が発生することは許されず、その一方で強権を発動する意志もないとすれば、あらゆる種類の絶望的な方便を採用しなければならない羽目になってしまうだろう、という点である。それらのどれ一つを取り上げてみても、長続きする解決をもたらすことは不可能であり、全てが、資源の最も生産的な活用を深刻に妨げるまでに至るだろう。とりわけ注意すべきは、金融政策はこのような困難に対して、何ら本当の解決策を提供することができない、ということである」

フリードリッヒ・A・ハイエク「隷属への道」

現代の通貨システムの悩みはこれ

「金融政策における不都合な現実」

金融政策の本質は現在と未来を交換する事です。豊かな未来が展望できているときは金融政策の力も大きくなります。しかし、展望できる未来がそれほど豊かではなくなれば、今は経済政策の主役のような顔をしている金融政策も、徐々に退場へのシナリオに入らざるを得ないでしょう。金融政策というのは貨幣制度の維持にとって必須のものではありません。中央銀行が独占的な貨幣の発行者であることは金融政策の有効性を確保するためには必須に近いものですが、その金融政策が機能しない、あるいは大多数の人々に豊かさを保証するものでないと人々が思い始めれば、中央銀行が独占的に貨幣を発行することへの合意も崩れ去るでしょう。金融政策は、19世紀に入ってからの世界が幸運にも成長の時代に入ったことの余得のようなものとして始まったにすぎないからです。そして、今、その金融政策がもはや「使命」としてではなく「重荷」になってしまう、その可能性を排除できなくなりつつあるように思えてなりません。

「通貨を国の強制ではなく自由な選択に委ねるべき」
ハイエクによる「通貨の選択」

当時、貿易や資本取引に伴う巨額の送金を確実に行うためには、中央銀行や民間銀行が提供する資金決済ネットワークやSWIFTなどの情報システムを緊密に結合して、どんなに巨額の処理であっても迅速かつ間違いなく処理することが是非とも必要だったから。

確かに大口には必要。

今、状況は変化。国境を越える人の移動の活発化やネットショッピングの普及から増加している少額の国際送金の当事者にとっては、何よりも送金コストが安いことの方が重要。百万ドルの送金をするときには問題にならなかった十ドルとか二十ドルの為替手数料が、百ドルのワインを個人輸入するときには大きな障害になってしまうのです。

これによってビットコインなどのコストの低い小口決済用の暗号通貨の需要もあり。

銀行と銀行の間の資金決済は中央銀行が提供するオンラインシステムを使って行うのが普通。日本では日銀ネット、米国ではフェドワイやいうシステム。他方で、送金情報などと呼ばれる誰の預金口座から誰の預金口座に資金を移動するかという明細書に当たるような情報は、民間銀行たちが連合して運用している全銀システムという名のデータ交換システムでやり取りをしています。国際間では、これがSWIFTになるのです。

ゴミゴミしてて管理コスト、人件費などがかかるので、大口、小口での使い分けが必要。

銀行券モデルの運営費

日本銀行

  • 凸版印刷
  • すき入れ
  • バーパターン
  • ホログラム
  • 潜像
  • パールインキ
  • マイクロ文字
    上記の世界最高水準と言える偽造防止技術が使われている。原版の作成作業もまた凝りに凝った職人芸になっている。一枚あたり平均で15円強。人件費が、「主要国の10万人あたり中央銀行職人数」ではロシアで51人、フランス20人、ドイツ13人、アメリカ6人に対し、日本は4人。かなりエコ。

中央銀行の存在意義は?

中央銀行による通貨供給は経済学の大原則と矛盾する、限界費用価格という観点からすれば、金利がゼロの銀行券をベースにする円やドルの金利なんてゼロで十分ではないか。フリードマン。1969年の論文。その通りにすると金融政策は無くなってしまう、金利は永遠にゼロになってしまうと困る。

フリードマンの言うように限界費用価格での銀行券発行を現実の課題として検討しても良い。貨幣利子付きの銀行券を提供することはケインズの「流動性の罠」つまり金利をマイナスにすることができないことから生じる問題を解決できるだけでなく、そうすることで金融システム全体をより安全なものにできるかもしれないのです。  

技術を利用して新たな制度設計が必要。

最適通貨:資源価格の急変や技術環境の激変というような予期せぬ外生的ショックが加わったといでも金融政策は一つで十分。金融政策を一つにすることができれば、それに合わせて通貨も一つにした方が商売も投資も活発になるだろうということ。ユーロが作った議論と同じ。最適通貨圏はあくまでも中央銀行と金融政策の存在を前提にしている。対立の火種になりかねない。

今のEUを見るとよくわかる。

バブル崩壊後の日本、リーマンショック後の米国、そして欧州、そうした国々の中央銀行たちが陥った状況を見ると、それが彼らの決定の誤りや政策の失敗によるものだとは思えない。

確かに

誤りや失敗であれば、それを犯しても組織や制度が変わることはない。誤りや失敗は直せば良い。しかし、誤りでも失敗でもないのに機能が不全に陥っていくのであれば、仕組みそのものを考え直さなければなりません。

現実こういうことだと思います。おそらく政治も同じ感じなのですが、向こうは選挙戦に勝つためにやってる人の熱気にまともな人が潰されている。プラス年寄りによって若くてやる気のある人が消されている。同調精神が強い。

金融政策が機能不全に陥った直接の原因は「流動性の罠」。金利ゼロの金融資産である銀行券が存在する限り、金利はゼロ以下になることができません。そのため、金融政策はインフレ対策には向いているが、デフレ対策には限界があるわけです。

日銀の人がこれいうと説得力がすごい。

日本は厳しいと思います。欧州も同じでしょう。なんとかなる可能性があるのは米国で、人口ピラミッド比較で見れば、自明のうちに入ると思います。米国の金融政策では「出口」の議論ができるのに日本ができないのは、日銀が怠けているとか下心があるのを隠しているとかによるのではなく、本当にできないのではないかと私は思っています。

悲しい未来。

日本について描けるのは貨幣価値の部分崩壊に近いほどの突然の物価のジャンプアップが来て、その後にまたしぶといデフレが戻ってくる、そういうシナリオだけになってしまうのではないか、そのように思えてならないのです。

時代の流れに合わせて、仕組みの変革は必要。

そんなシナリオが実現してしまったら、中央銀行は終わってしまうかもしれません。金融政策というのは、現在の豊かさと将来の豊かさを国民経済全体として交換する政策でしかありません。ですから、かつての成長の時代にあったような将来の豊かさへの予感が消失してしまったら、金融政策はその役割を果たしようもないのです。そして世界的に侵攻する格差の拡大があります。格差拡大自体は金融政策の責任ではないのですが、しかし金融政策を「良きもの」とする社会的な合意基盤を崩すものであることは間違い無いでしょう。中央銀行はインフレを目指すという、それで景気は良くなるという。確かに企業業績は良くなったらしい。だが、賃金は上がらない。残るのは物価のジャンプアップによる老後の蓄えの減少への恐怖だけだ。そうとなったら人々の怒りは中央銀行に向くことになります。それは中央銀行の終わりを意味するはずです。

ビットコインに円やドルのような信用貨幣は負けるか?

→それは無い。円やドルのような信用貨幣の方が、ビットコインのようなPOW貨幣よりもはるかに安く、地球資源に負担をかけず作り出せるから。補完的かつアンチテーゼ的な地位にとどまる。

未来の中央銀行の役割。

安定した「価値尺度」を提供する。
誰もが安定した価値尺度だと認めるような分析と方法論を持って貨幣利子率を決定し、その利子率のデジタル銀行券を世に提供し続けること。
why?現在と将来とを交換する契約である金融契約の安定をさあ支える役割を持っている。

1011_書評11:角川インターネット講座 (1) インターネットの基礎情報革命を支えるインフラストラクチャー(村井純、ヴィントサーフ)を読んだ

インターネットの初期のアーキテクチャーを作り上げた人たちがどういう意図で今のインフラを作ってきたのか、どのような歴史があるのか知りたくて本書を読みました。角川インターネット講座で十数冊のまとまりとなり、錚々たるメンバーによって構成されたうちの一冊目ということで情報量がものすごかったですw

本書ではインターネットの成り立ちに関して関連した機関や人の名前、当時の時代背景、技術的説明などがなされていました。通常こういう本って概要が軽く説明されていて、それらが多岐にわたるってのが多いんですが、日本とアメリカのインターネット界の重鎮、村井純さんとヴィントサーフの書いている本なので詳しいです。。。。

感じたことを以下にまとめます。

インターネット作った人たちすごい

まず既存のインターネットの仕組みを構想したことが「あ、これすごいな。。。。」と思いました。ARPANETというネットワークとUNIXというオペレーションシステムがいかにインターネットの開発に大きく関わっているのかということを強く感じました。加えて、インターネットそのもののインフラ部分を構想し、実装してきた研究者の人には尊敬の念しか感じない。ネットワーク世界の住所とも言えるIPアドレスが不足することを予想してIPv6を構築したストーリーも非常に印象的。NATもインターネットの対等な関係性から考えると違和感しかなかったけど、時代を経てセキュリティのために有効かもねと適応されるあたり発明の価値は時を経ないとわからないと痛感。インターネットの革新技術であるTCP/IPを発明したヴィントサーフ、インターネットブラウザNCSA Mosaicを発明したマークアンドリーセンは世界にめちゃくちゃ貢献しているんだなと再認識した。ベル研究所パロアルトARPANETやNTT/KDD/WIDEプロジェクトやら功績とんでもないぞと思いました。

インターネットはまだ完成していないし、開発が終わったわけでもない。その設計は、まだ進化を続けていて、あなたもそこに参加できるのです。

ヴィントサーフの言葉です。

インターネットは、進化を繰り返してきた、とても柔軟なシステムで、今後も進化します。あなたはその新しい使い方を作り出したり、新しい機能を設計したりできるのです。今日この部屋を後にするときには、そのことを心に刻んでください。

本書から引用

人間の脳が司っている感覚や記憶を共有できる基盤こそインターネットに求められるものである。さらにインターネットにつながっているカメラやセンサーは、人の感覚を代行したり、あるいは感覚の起源となって、人の体を拡張するものである。それを地球上のすべての人が瞬時に共有できる可能性が見えてきた。夢のように思われてきた人の体の拡張と感覚の共有が現実のものになって、さらに脳の拡張をも実現する。さてそれをどう利用するかというのが今の時代だ。

WWWを発明したティムバーナーズリーやBSD UNIX開発者カークマキュージック、ビルジョイ、UNIX発明者のケン・トンプソン、デニス・リッチーなども出てきてすごい本だなと思いました。

インターネットらしさ

アリババなど、今までのルールではいけないことでも、ユーザーの絶大な支持が得られれば変わっていく。そのような挑戦的なことが、インターネットの歴史上では度々施行されてきた。これまでダメだったことでも、もしかしたら変わるかもしれないんだ。そんなマインドセットをもっと重要視すべきだよなあと感じさせてくれる本でした。「それまでなかった変なことは、いいことなのかもしれない。」

1010_今日の振り返り:役所に行って雑務を終わらせた

今日は午前中、役所に行って手続きをしたり、IBの口座開設にまつわる手続きをしたり、大学の時もらった奨学金のお礼の手紙を作ってたり、洗濯したりで作業に当てられる時間が少なかった。とはいえ、必要な作業だったので一日でまとめてやれたことはよかった気がする。分散させると気が散ってしまうので。役所手続きに関しては確かに待ち時間はあったけど、世間で叫ばれてるほど対応は悪くなかった。

年金の手続きに関してはこの前、就職するから手続き教えてって話聞いたおばさんと同じ人だったので、今日も有能だなと思った。担当する人によって違って来る気がする。ただ、エストニア電子政府の件もあるが、オンラインで済ませられる作業はなんとかオンラインで済ませられないのかなとも感じた。

この前、定食屋でご飯を食べていたときもおばさんが通院のために早朝に行って予約券をとって診察を受けるのが何時間後、結果が出るのが午後というように一日中病院に箱詰めにならなくてはいけないことを嘆いていた。

当たり前のように受け入れられる不都合を、あるべき形に取り除けるようなことを技術を使って実現できればなあと感じた一日でした。

K

  • 読書(新しい視点が入ってきて良い。目的を決めた読書は価値がある)
  • 雑務を一気に終わらせたこと。(先延ばししない方が良い。注意散漫になるため)

P

  • ほとんど開発できてない。(技術を使うための開発計画よりも作りたいものをストックしておくことの重要さを感じた。)
  • 目標設定できていない。(目標と行動計画が具体性を欠いている。)
  • 朝起きるのと行動を切り替えるのが遅い。(仕組みを作ろう。遅くなる原因を特定して解決策を形にしよう)
  • 開発できてない。(時間配分と開発計画の具体化)
  • 開発場所に着くのが遅い(ねる時間、起きる時間、着く時間を決める)
  • ジムの契約が済んでいない。(電話で済ませる)

T

  • ジム契約
  • 目標の具体化
  • 開発やりきる。
  • 成果目標とKPIの策定
  • 次の日の予定を前日に決める(読む本、開発するもの、行動計画、時間配分など)
  • クリエイティブタイムとタスク処理の時間を分ける。
  • 決めたことはやりきる。

1010_書評10:決済の黒船 Apple Pay(日経FinTech選書)(鈴木淳也、 日経FinTech)を読んだ

今回はfintechの中で主に決済に関して調べていきたいなということで、apple payに関してまとめた本書を読みました。感想としては、appleは日本進出にあたって結構苦労してきたんだなということと、世界に向けて何かを広げて行こうという時には、その国の文化監修以外にも、製品の共通規格ややっぱり政治的経済的な要素が大きく関わってくるもんだよなあと感じました。なぜかamazonでの評価は星三つが多いのですが、ここまでのリサーチを加えた本に星三つはないだろ、クソみたいなベストセラーがまかり通る世の中なんだから星五つとまでは言わないまでもせめて四つはつけて然るべしだと思う本でした。以下、本書を読んで感じたことをまとめます。

Apple Payって本当に革命的。ティムクックは本当にビジネスパーソンとして優秀。

この本を読んでティムクックは本当にビジネスセンスがあるなと思いました。この本が少し日本から見た決済システムっていう見方に偏っている部分もありますが、適切なタイミングでモバイルウォレットの分野に進出し、適切な市場にきちんと取り込む部分と妥協点を決めて参入してきているなと感じました。具体的には、apple pay自体は特段早い参入ではなく、google/samsung/アメリカ小売協会などをメインに世界中の金融機関がモバイル決済の分野にはずっとコミットしてきていたのですが、カード会社やら携帯会社やら、共通規格の問題やらでずーーっと足の引っ張りあいをして疲れ切ってgoogleやらカード会社やらどこもかしこもモバイル決済の独占から疲弊し撤退したそのタイミングにアップルさんも参入して、撤退した金融機関も柔和な対応をするようになったので比較的参入もスムーズにいったような話が書かれてました。参入が容易というのは足の引っ張り合いが以前よりは薄くなっていたということですね。

日本はガラパゴスすぎる

appleが日本のモバイル決済(apple pay)の参入でてこずっていたのが、決済における認証通信方式によるものだそうです。
-日本:Felica(suicaなど)
-海外:TypeA/TypeB(海外のNFCシステム)←海外はほとんどこれ
とのことで昔々sonyなんかがNFC(Near Field Communication)は、かんたんにいえば「かざして通信」で世界の最先端をいっていたらしく、それがpasmoやらsuicaやらに取り込まれていたらしいです。それがFelicaです。EdynanacoSUICAPasmoなど大体のものに適用されています。これが海外では全く採用されていないらしく(海外はTypeA/TypeB)、海外で買ったapple payを日本で使ってもその認証システム(felica)が適応されていないので使えないらしいです。(本が書かれている当時で今はわかりませんが)。それに加えて、一応海外製のものにもfelica/typeA/typeBのNFCは内臓させることができるらしいのですが、felicaを対応させるためには日本のNTTなどと契約関係を結ばないとダメらしく、こういうところが本当にガラパゴスだなあと感じました。それゆえ、海外で使ったiPhoneではapple payが日本では完全には使えず、日本でかったiPhoneでは日本独自でapple pay使えるという仕組みになっているそうです。日本のiphoneは海外でapple pay使えるのかな?

決済はやっぱりセキュリティが肝

apple payが響くということに気づいて、世界中のIT企業や金融機関が再度参入してきています。そこには世界4大カードブランド(american express/discover/mastercard/visa)も注目しているし、世界の決済は繋がるということをみんな夢見ています。apple payはセキュリティがしっかりしているなと思っていて、touch ID(指紋感知)によって店側の悪質なスキミングを防止しているし、iphoneだけでなく、macbookでも使える。

ネット利用するときも金融情報を渡さずに一時的に生成されるトークン情報で管理しているし、もしiphoneをなくしてしまっても、iphone seachアプリで遠隔操作でapple payの情報を取り消して、新しいiPhoneでまた設定すれば良い。金融機関やカード会社に待たされたり、多くの手続きを踏むこともない。 トークン管理なので、家族それぞれの支払限度額の設定もドメイン管理できる。

早く世界中が同じ決済方法でつながってほしい

NFCの特殊性やらいろいろ政治的な問題が付きまとって世界全体で同じ決済方法で済むというふうにはいかない。ただ、中国のalipayやwechatみたいなバーコード決済なら世界を乗り越えられる。デジタル化によって決済のステップを減らし世界中から財布をなくし、AIやロボットによって単純作業は代替されて、ブロックチェーンによって低コストで価値や資産移動を保証可能な環境をあらゆるデジタル金融資産で作れる未来が来るかもしれない。そうすれば人は決済という煩わしいものに時間をかけず、単純なオペレーションもロボットに任せて、もっと意義ある思考に時間を当てられる未来を作ろう。未来を予測するのではなく、夢想する未来を自分たちの手で作ろう。

1009_振り返り

K
biz

  • 書評は早い段階でかけた。
    dev

  • qiitaでまとめた。githubにpushした。

  • 良い開発者のインプット先を見つけた。
  • 朝、割と早く起きれた。あとは、pitchごとの時間配分はよかった。

P

  • デプロイできてない。理由は?セキュリティ関係とか、そもそも設定が煩わしくてよくわかってない。ただ、そろそろできそうな気配。
  • インフラ部分に時間を取られすぎて、結果、スクリプト書く時間が減っているような気がする。
  • ビズ分析する時間が取れなかった。
  • きちんとした目的意識を持って開発ができていない。成果目標の具体化ができていない。それを確認する習慣ができていない。
  • PDCAの認識が甘い。

T

  • PDCAを定期確認する仕組みを作る。習慣化する。
  • 手帳とスケジュール(開発とgeneral)をきちんと進捗確認のために利用する。
  • 論文と技術ブログを読み込む。情報収集の仕組みをきちんとした形に構築する。アウトプット先の形も決める。
  • アウトプットの数値目標を定める。成果目標(定性的なもの)もより具体的に定める。中長期的目標を考える。  
  • 明日は早い段階で雑務を済ませる。なるべく面倒なことは自動化して、本来やるべきことに集中できるように工夫をする。
  • 今持ち合わせているタスクをまずは全てブレストする。そこから時間配分と優先順位を決めていく。時間の使い方にもっと工夫を払う。隙間時間にやるべきことは頭に入れておく。   
  • 習得したい技術、作りたい開発物、解決したい課題をリストアップしてまとめておく。
  • 前の日には次の日の行動計画、kpiを決めておく。週間計画と月間目標くらいは常に頭に入れておく。 
  • タスクリストと作りたいものを分けてまとめる。
  • biz分析はきちんとやる。 

以上、明日も頑張ろう( ^∀^)

1009_書評9:ビットコインはどのようにして動いているのか(大石哲之)を読んだ

今日はtwitterとかblockchain関係のメディアとかを見ているとよく出てくる大石哲之さんの本を読んでみました。ビットコイン関連に出てくる人って大体お金目当てでブームに投機目的やアフィリエイト目的の人が多いから技術者以外は信用できない。この人もきっとそうなんだろ。っていうスタンスで読みました.

読む前の穿った見方を本当に反省したい。すごく良い本でした。そして日本にbitflyer/coincheckなどが設立するかしないかくらいの時に出版していることに加えて、この本の論点をブロックチェーンビットコインアルゴリズムにおいている辺り、「あ、これは、どっかのFX、株式から流れ着いたパチモンじゃない。きちんとブロックチェーンの承認システム、合議システム、そしてその汎用性の高さと未来を形作ることへの可能性の大きさを感じているんだ。」と思いました。大事なことなので繰り返し言いますが、とても良い本でした。

本書の文章構成

0.はじめに
1.ビザンチン将軍問題とビットコインネットワーク
2.ビットコインの仕組みの全体像
3.トランザクション(取引)
4.ハッシュ関数
5.マイニング(採掘)
6.善意の採掘者
7.アンドリーセンの夢想する世界
参考文献

この本で特に良かった点

ビザンチン将軍問題という「カオスな環境における意思決定は管理者不在できちんとした正確性を持って確定できるか」という問題についての説明をメインにおいていたことです。

巷では、
「仮想通貨は上がる、ビットコインは上がる、イーサだ!リップルだ!ネムだ!」とか、

ビットコインは絶対ダメになるよ、一時的なバブルだ。」「いや違う。ビットコインは絶対に高くなるよ!可能性があるんだ!」

とかのようにクソみたいな感覚的で辟易するような議論や、金銭的メリットは完全に無視して、ビットコインの構成要素、サトシナカモトの論文の革新性、ブロックチェーンが技術的に何を解決し、どのような未来を気付きうるのかというその技術的可能性にフォーカスしているところが本当に素晴らしいと思いました。 ビザンチン将軍問題、ハッシュ関数ブロックチェーン、PoWプロトコルというコア要素に絞ってるところが良かったです。

ビットコインやその他暗号通貨の投資性だけに着目して、FX/株式よりボラティリティの高いゴールドラッシュとしか考えていない連中には到底理解できない、本当のブロックチェーンアルゴリズムの素晴らしさを説明している良書です。